不妊症の治療方法

FTカテーテル法 -卵管の閉塞および周囲癒着に対して-

卵管閉塞に対する治療法です。
カテーテルと呼ばれる細いくだを卵管の詰まった(狭窄した)部位に通すことで、卵管の通過性を回復することができます。
当院では、この治療を行ったのちに自然妊娠することができた方もいます。
下の動画は、手術の様子をアニメーションで簡単に再現したものです。

従来のFTカテーテル法では、超音波で見た平面的な情報だけを頼りにカテーテルを卵管へ挿入していましたが、これでは間違いなく「卵管を通過している」確信を得ることは難しく、実際に子宮内でとぐろを巻いているだけで卵管を通過していなかったこともありました。
超音波像では、この間違いに気づくことが難しいのです。
その他にも、カテーテルが卵管を突き破ってしまうなどの問題もありました。
そこで、当院は新しいカテーテル法(腹腔鏡補助下卵管鏡下FTカテーテル法)を開発しました

新カテーテル法のポイント

  1. カテーテルが間違いなく卵管内に挿入される
  2. 卵管を突き破るリスクを抑える
  3. 確実に閉塞部位が開通したという確認ができる
  4. 卵管周囲の癒着を剥離できる

イメージとしては、FTカテーテルと同時に子宮鏡検査腹腔鏡検査を行うような治療法です。
この新FTカテーテル法では、子宮鏡下で卵管口の位置を確認してからカテーテルを挿入するので、「確実に卵管内を通過させる」ことができます。
卵管が屈曲してカテーテルが進みにくいような場合には、腹腔鏡下で卵管が真っ直ぐになるよう引っ張れば、「スムーズに通過させる」ことができます。
これにより、カテーテルが卵管を突き破ってしまうような事故も防ぐことができます。
また、腹腔鏡下にて卵管周囲癒着が認められれば、そのまま「癒着剥離も可能」です。
卵管開通後は、色素のある液体を卵管内へ注入して、「通過性の最終確認」を行います。

手術は30分ほどで終わりますが、二泊三日の入院が必要です。
保険適用となります。

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