不妊症の治療方法

卵子提供

第三者から卵子の提供を受ける「卵子提供」は、それが挙児を得る唯一の方法だと考えられる場合にのみ可能な治療法です。
適応には、「早発閉経や卵巣摘出により卵子が作れなくなった」、「体外受精を何度しても結果が出ない」などが挙げられます。
ただし、治療には倫理委員会などによる認可が必要です。
提供者は原則的に匿名ですが、現状では匿名での提供者が見つかることは難しく、親族(姉妹)や友人といった身内からの提供も行われています。
基本的な治療の流れは、提供者から採卵し、被提供者の夫の精子と体外受精させて、被提供者へ受精卵を移植するという段取りになります。

卵子提供を受けるには

卵子提供を受ける方法は、大きく3つに分かれます。

①JISARTの認定施設で治療を受ける

JISART(日本生殖補助医療標準化機関)とは、不妊治療を専門とするクリニックによって結成された団体です。JISARTの卵子提供ガイドラインの適応となれば、当院を含む「卵子提供実施施設」にて治療を受けることができます。

②OD-NETでのマッチング

OD-NET(卵子提供登録支援団体)にレシピエント登録を行い、ドナーとのマッチングが成立すれば治療を受けることができます。現在、登録は受け付けておりません(平成27年4月)。

③国外で卵子提供を受ける

「JISARTのガイドラインでは適応にならない」などの理由があれば、国外で治療を受けることも選択肢のひとつとして挙げられます。
なお、国の管轄下で卵子提供が実施されているところもありますので、「より安全に治療を受けたい」という思いがある方にもお勧めできます。

このページでは、①と③の方法について具体的にご説明いたします。

JISARTでの卵子提供

JISARTホームページのガイドラインより一部抜粋しております。

卵子提供を受けるための条件

被提供者の条件(A~Cいずれかに該当)>
・卵子が存在しない場合(早発性卵巣機能不全等)
・6回以上の夫婦間体外受精(採卵)によっても妊娠または出産に至らず,その原因が卵子にあり,今後妊娠の可能性が極めて低いと医師が判断した場合
・重篤な遺伝性疾患の保因者または患者で,着床・出生前検査および妊娠中絶を望まない場合

※ただし,加齢により妊娠できない夫婦でないことを必要とする。この点の具体的な判定は医師の裁量によるが,妻の年齢が50歳程度であることを目安として判断する。また,夫婦の健康状態,精神的な安定度,経済的状況など,生まれてくる子どもを安定して養育していくことができると認められる夫婦であることを必要とする。

提供者の条件
40歳未満(原則は35歳未満)で既に1人以上の子のいる夫婦(子がいる独身者でも可能)

その他の条件
生まれた子への出自を知る権利を認める
対価授受の禁止(提供された卵子に対する報酬などを求めることを禁止)

卵子提供の流れ(提供者が姉妹もしくは友人の場合)
  • ①提供者を患者様本人で選択し、依頼する
  • ②提供者・被提供者とも条件を満たしていれば、施設長(院長)とのカウンセリングを行う
  • ③卵子提供治療の説明を理解し、かつ施設長が治療可能と判断した後に、臨床心理士とのカウンセリングを行う
    ※臨床心理士とのカウンセリングは原則3回で、夫婦との面接から始まり、性格検査などを行ってから夫婦での最終意思決定を行う
  • ④臨床心理士が心理的に卵子提供を行って問題ないと判断した場合、施設内倫理委員会による審議を行う
    ※施設内倫理委員会では被提供者夫婦および提供者夫婦(提供者が離婚している場合は提供者のみ)と面接して個別ヒアリングを行う
  • ⑤施設内倫理委員会で承認を得られた後に、JISART倫理委員会にて書類審査を行う
  • ⑥JISART倫理委員会で承認を得られた後に、承認後カウンセリングを(原則1回)行う

ご注意!!
カウンセリング開始から治療開始(②~⑥まで)まで約1年かかりますので、提供者の次子計画についてご注意ください。

  • ⑦治療を開始する
  • ⑧治療が成功した場合、出産後フォローアップを行う
  • ※家族関係や告知などの都合でさまざまな問題が生じる可能性があるため、治療前(承認後を含む)、治療中、出産後もカウンセリングを継続させていただくことがありますことをご了承ください。なお、出産後のカウンセリングでは、お子様の成長発達の様子についてもお知らせいただきますことを、あらかじめご了解ください。
卵子提供治療にかかる費用

実際の治療(体外受精)に入る前に、おおよそ90万円ほどの費用がかかります。

<内訳>
✔(提供者と被提供者の)各種検査費 :約10万円
✔ 卵子提供治療カウンセリング(3~4回) :約7~10万円
✔ 施設内倫理委員会 :約45万~50万円
✔ JISART倫理委員会 :約15万円
✔ その他諸経費

承認後、実際の治療を行う際には、1周期につき40万円ほどの費用がかかります。
体外受精に関する詳しい治療費は治療費用をご覧ください。

当院での卵子提供の実績

治療成績をご覧ください。

国外(台湾)での卵子提供

4ヶ国における卵子提供の現状

国内で卵子提供を受けることが難しい場合は、国外での治療も考えられます。
下の表は、日本人が卵子提供を受ける国として主要な3ヶ国の状況を、日本と比較したものです。
この表からは、国外で卵子提供を受けるメリットが見えてきます。

台湾 タイ アメリカ 日本
(JISART)
日本
(OD-NET)
法整備 されている されている されていない されていない されていない
運営 国営 私営 私営 法人営 法人営
出自を知る権利 認めない 認めない 一部認める※1 認める※2 認める※2
ドナーの条件(1)
匿名・顕名
匿名 匿名 匿名※3 原則匿名
顕名を認める
15年間匿名
ドナーの条件(2)
有償・無償
有償 有償 有償 無償
(対価拝受は禁止)
無償
(対価拝受は禁止)
ドナーの条件(3)
年齢、その他
20~40歳未満 20~30歳 20~30歳 ・結婚歴を有する
・子がいる
・40歳(原則35歳)未満
・結婚歴を有する
・子がいる
・40歳(原則35歳)未満
レシピエントの条件 ・早発
・自然閉経
・卵巣摘出
など
・早発
・自然閉経
・卵巣摘出
など
・早発
・自然閉経
・卵巣摘出
など
・早発閉経
・体外受精6回以上失敗
・加齢が原因でないなど(厳密
・早発閉経
・ターナー症候群
・40歳未満(登録申請時)
・法律上の夫婦関係など(厳密
ドナーの選択方法 病院側で、希望に合うよう選択 パンフレットで選択 パンフレットで選択 自身で捜索
(姉妹や友人)
OD-NETのマッチング委員会が選ぶ
1回の治療費用 100~200万円 200~300万円 500万円以上 80~100万円程度
(倫理審査費用)
1回の審議費用
約30万円×2~3回+
ドナーの出費全額+
体外受精(施設で異なる)

※1. 個人を特定できない範囲の情報
※2. 15歳以上の希望児
※3. 施設により顕名あり

国営による卵子提供が実施されているのは台湾のみです。
ここでは、台湾で卵子提供を受けられる診療所をご紹介いたします。

宏孕(ホンジ)生殖医学センター
※クリックすると治療の流れについてご覧いただけます
  • 電話番号:+886-2-2392-1920 内線番号…18
  • E-Mail:ss091436@gmail.com
  • URL:公式ホームページブログフェイスブック
  • 所在地:台北市新生南路一段56号14階
  • アクセス:
    (1)台湾桃園国際空港からの場合…タクシーで約1000台湾ドル、所要時間35~40分
    (2)台北松山空港からの場合…羽田空港から3時間で着く空港
    タクシーの運賃:約300台湾ドル、所要時間10分
    台北捷運(地下鉄)の運賃:片道20台湾ドル/1人、所要時間約15分
    忠孝新生駅にて下車すると、5番出口と同じビルに当クリニックがあります
  • 備 考:日本人スタッフが5人いますので、来院時に通訳をすることができます。
  • 宏孕(ホンジ)生殖医学センターで実施した卵子提供の結果です(期間は2014年01月~2017年10月)。
    この結果は、宏孕(ホンジ)生殖医学センター 院長 張宏吉先生から、2018年1月29日に頂いたデータに基づいています。170209_Honji_result
送子鳥(コウノトリ)生殖医療センター
※クリックすると治療の流れについてご覧いただけます
  • 電話番号:+886-3-573-5292 内線番号…1520 or 1521
  • E-Mail: jp_service@icryobank.com 日本語対応可能
    携帯電話のメールアドレスでは当院からの返信が届かない場合がございます。パソコンのメールアドレスをご利用ください。
  • URL:公式サイト ・ FacebookAmebaブログYahooブログ
  • 所在地:新竹医院 新竹市忠孝路 80 號
    台北医院(2018年開院) 台北市中山區樂群二路189號
  • アクセス:新竹医院 桃園空港からタクシーで約40分(初診時無料送迎あり)
    台北医院(2018年開院) 松山空港から電車で2駅7分
  • 備考:日本人を含め、日本語対応可能なスタッフが7名います。メール、電話でご連絡いただいた際、またご来院時も日本語での対応が可能です。

送子鳥(コウノトリ)生殖医療センターで実施した卵子提供の結果です(期間は2015年01月01日~2017年12月31日)。
この結果は、送子鳥生殖医療センターから、2018年2月22日に頂いたデータに基づいています。

総治療数 1165人
卵子提供申請日本人数 119人
治療を受けた日本人数 90人
平均胚移植数 1.5個
平均患者年齢 44.5歳 ※早発閉経の方も含めています
妊娠率(対患者) 88.9% (80/90) ※妊娠判定待ちの方を除きます
妊娠率(対移植) 70.1%  (94/134) ※妊娠判定待ちの症例を除きます
出産率(対患者) 72.3% (47/65) ※妊娠中、妊娠判定待ちの方を除きます
出産率(対移植) 51.6% (47/91) ※妊娠中、妊娠判定待ちの症例を除きます
流産率(対妊娠人数) 12.5% (10/80)
流産率(対移植) 8.2% (11/134)

page top