不妊症の治療方法

タイミング法

排卵日を予測して、それに合わせて夫婦生活をとっていただく方法です。
排卵された卵子が受精する能力を維持できる時間は、排卵後8~12時間までと言われていますので、排卵から6時間前後の妊娠率が高くなる時間に合わせて、タイミングをご指示いたします。
タイミング法には、自然周期に行う方法と排卵誘発をした周期に行う方法の2通りがありますので、それぞれの患者様に合った方法を選択します。

タイミング法の適応

不妊の検査で明らかな問題が見つからず、下記のすべての条件にあてはまるご夫婦は、半年間を目処にタイミング法を行うことをお勧めしております。

  • 奥様の年齢が若い
  • 結婚してそれほど年数が経っていない
  • 精子の状態が良好
  • 卵管が両方とも通っている
  • できるだけ自然に妊娠したい

もし半年間行っても結果が出ない場合には、人工授精へのステップアップをお勧めします。

排卵を予測・確認する方法

排卵日とは、一般的に基礎体温が(高温期に入る前の)急に下がった日や高温期に入った日と知られています。
しかし、これは100%信用できる情報ではありません
なぜなら、黄体化未破裂卵胞(LUF)の可能性があるからです。
LUFとは、排卵の兆候が現れているにもかかわらず、実際は排卵できていない(卵胞が破裂していない)症状を指します。
LUFを繰り返す場合には、卵巣周囲に癒着があると考えられるため、腹腔鏡検査が勧められます。
排卵したかどうかを正確に知るためには、より正確な方法をとる必要があります。

方法 説明 短所
①基礎体温の測定 基礎体温を測定し、高温期に入る前の急激に下がった日、もしくは高温期に入った日を排卵日とする。
排卵誘発剤を使用している場合は高温期に入ってから排卵している可能性が高い
・基礎体温が二相性でなければ高温期が判断できない
・LUFの可能性
②尿中LHの測定 排卵時はLHサージ(子宮内膜を厚くするため黄体刺激ホルモン(LH)が急激に分泌される現象)が起きるので、検査キットを用いてLHが最も強い反応を示す日を探す。
LHサージからおよそ24時間後に排卵する
・1日3回(起床時・午後3時・就寝前)の約8時間おきに尿中のLHの値を調べればならないため煩雑
・LUFの可能性
③経腟超音波での検査 最も確実な排卵確認方法。
超音波像で日を追って卵胞を観察することで排卵日が分かる。
また、卵胞は直径20mm前後になると排卵することと、1日で約2mmずつ大きくなることから、逆算して排卵日を予測することもできる
・他の2つの方法とは違い病院でしか検査できない

図.「尿中LH検査キット」
尿中LH検査キット

図.「経腟超音波」
経腟超音波排卵後、卵胞が消失していることが確認できる

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