反復着床不全(RIF)
症状
体外受精治療を受けている不妊女性の15%-20%に、良好な受精卵を繰り返し移植しても妊娠にいたらない反復着床不全(RIF:Repeated implantation failure)を認めていると言われており、深刻な問題となっています。
着床前染色体異数性検査(PGT-A)によって受精卵の着床率は65.5%以上に向上すると報告されています。しかしこれは、正常な染色体を有する胚を移植しても着床しない患者さんがいることを示唆しています。
原因
胚因子(受精卵の見た目からは分からない染色体の異常など)をはじめ子宮因子(子宮奇形、子宮内癒着、子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、帝王切開瘢痕症候群)、内分泌異常(甲状腺機能異常や高プロラクチン血症など)、免疫学的異常(NK細胞、ヘルパーT細胞の異常など)が挙げられます。
近年更に慢性子宮内膜炎、生殖器のフローラ(細菌叢)の乱れなどが着床不全に影響する可能性が注目されています。