不妊症の原因

不育症・流産を繰り返す

症状

流産が2回続くことを「反復流産」、3回以上を「習慣流産」といいます。
流産以外にも子宮内胎児死亡、出産前後の死亡などが認められる場合でも、不育症と診断されることはあります。

流産について

流産は、必ずしも夫婦側に原因があるものとは限りません。
流産で最も多い原因は「胎児の染色体数の異常」であり、これは両親の染色体が正常だとしても起こりうることです。
そのため、健常な夫婦でも1回の妊娠に対する流産率は10%以上あるといわれます。
さらに、下のグラフからも読み取れるように、女性の年齢が高くなるにつれて流産率は上昇します。
これは卵子の老化に伴い、「染色体の不分離」という現象の発生率が高くなるためです。

年齢別妊娠率・生産率・流産率
このような流産に対しては、特に治療方法はありません。
流産予防のための特殊な治療をしなくても次は出産できる可能性もあります。
また、流産後の治療を再開するタイミングは、(子宮内容除去術の施行の有無に関わらず)2~3か月様子を見てからにしましょう。
そうして、基礎体温が規則正しく二相性になったことが確認できてから、治療を再開します。

原因

①胎児の染色体異常

流産の原因として最も多いケースです。
ご夫婦の染色体が正常でも起こります。
特に治療方法はありません。

②ご夫婦いずれかの染色体構造異常・遺伝子疾患

両親のいずれかに染色体構造異常(均衡型相互転座など)や遺伝子疾患がある場合には、着床前診断(PGD)を行います。

③同種免疫異常

お腹のなかの胎児に対して母体が拒絶反応を起こしてしまい、流産となることがあります。
これは、胎児に含まれている夫の遺伝子、つまり「他人」の遺伝子に対して母体が拒絶するために起きるとされています。
同種免疫異常があるかを調べるには、リンパ球混合培養という検査を行います。
異常が見られた場合には、夫リンパ球移植を行います。詳細は、本ページ下部「治療法」をご覧ください。

④抗リン脂質抗体症候群

膠原病などの自己免疫異常や血液凝固異常を含みます。
胎児へ血液を供給する微小血管内で血液が凝固してしまい、血液障害を起こすことで流産となります。
治療法は、アスピリン・ヘパリン併用療法があります。詳細は、本ページ下部「治療法」をご覧ください。

検査項目:抗核抗体、抗CL・B2GPI複合体抗体、ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体(IgG・IgM)、抗フォスファチジルエタノールアミン抗体(IgG・IgM)、aPTT、PT、第XII因子活性、抗DNA抗体、リウマチ因子

⑤黄体機能不全

黄体ホルモンを補充します。

⑥クラミジア・トラコマティス・淋菌などによる子宮内感染症

感染症に対する治療を行います

⑦子宮頚管無力症

妊娠中期に子宮頚管縫縮術を行います。

⑧子宮奇形・子宮筋腫・子宮腺筋症

必要に応じて手術を行います。

⑨その他(糖尿病・甲状腺機能障害・ストレス・カフェインの過剰摂取など)

治療法

漢方外来

柴苓湯(サイレイトウ)などを処方いたします。

②アスピリン・ヘパリン併用療法

妊娠前から低用量アスピリンを使用し、妊娠後はヘパリンを使用する治療法です。主に抗リン脂質抗体症候群が疑われる場合に行います。
妊娠期間中は凝固機能について慎重に管理していく必要がありますので、ヘパリンをずっと使用することになります。
また、不育症の原因がはっきりしない場合には、低用量アスピリンのみを使用する治療法を行うこともあります。

③夫リンパ球移植

2~3回以上流産を繰り返されたご夫婦で、かつ流産の原因が自己抗体検査や染色体検査などで見つからなかった場合にお勧めする治療法です。
免疫療法のひとつで、ご主人の血液を採取し、リンパ球を分離して奥様に移植します。
成功率(流産しなくなる率)は80%強あるといわれています。ただし、移植片対宿主病(GVHD)という死亡率の高い副作用が現れることが報告されていますが、発症率はごく稀です。

着床前診断 PGDとPGS

リンク先をご覧ください。

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