不妊症の検査一覧
ここで取り上げる検査とは、不妊症の原因を調べるための検査です。
検査にはこの他にも治療を始める前に受けていただく「術前検査」という種類のものがありますが、術前検査についてはその時々に応じてご説明いたします。
精液検査
精子の状態(数や運動性、形態など)を調べる検査です。
精液検査で判明する不妊原因については、『精子の数が少ない・動きが悪い・全く動いていない』をご覧ください。
精液検査について
- 採精室にて精子をシャーレにとっていただきます。
- 検査の2~3日前は禁欲してください。禁欲期間が長すぎると、かえって状態が悪くなることもあります。
- 検査の結果が悪ければ、再検査を行うことがあります。再検査に際しては、所見改善のために漢方薬を処方することもあります。
- ご希望であれば、検査と同時に精子凍結することが可能です。精子凍結できれば、治療時にご主人が不在であっても問題ありませんので、ご主人が来院する必要はなくなります。治療成績も新鮮精子を用いた場合とほぼ変わりません。凍結に関しては凍結に関する注意事項(保存期間・廃棄など)をご覧ください。
- 「病院での採精に抵抗を感じる」などの理由があれば自宅採精を行うこともできますので、ご相談ください。
(予約について)診療時間内であれば予約は必要ありませんが、精子凍結をご希望の方は事前に予約が必要です。
子宮卵管造影検査
卵管の通過性を調べて、卵管閉塞が起きていないかを調べる検査です。
子宮口から造影剤を入れてからレントゲン撮影し、造影剤が卵管の奥まで行き渡っていれば問題ありません。
原則的に、不妊治療を始める前には受けていただく必要がある検査です。
ただし、1年以内に他院で同様の検査を受けたことのある方は、検査結果をお持ちくだされば検査を免除できる場合があります(検査結果が古ければ再検査を受けていただくこともあります)。
検査を受けるには、現在妊娠していないことを確認しなければなりません。
そのため、①月経終了後の低温期、②避妊した高温期のいずれかである必要があります。
(予約について)予約していただければ、この検査は初診時に受けることが出来ます。
ただし、1年以内のクラミジア陰性結果が必要となります。
クラミジア陰性結果がない場合は、
来院時、ご夫婦でサインしていただければ検査を受けることが出来ます。
(※クラミジア検査を行っていない場合、もし陽性の場合には感染を拡大させるリスクがあります。)
子宮鏡検査
子宮口から直径3mmほどの内視鏡を挿入して、子宮腔内を調べる検査です。
この検査では、子宮粘膜筋腫や子宮内ポリープなどを観察し、そのまま除去することが可能です。
その他にも、体外受精にて良好胚を何度移植しても着床しない方に対して行うこともあります。
良好胚が着床しない原因には、子宮内膜上に小さなポリープがある、もしくは子宮内膜が不規則に発育しているなどが考えられるため、子宮鏡検査で内膜をきれいにリセット(整地)すれば着床率の向上が期待できます。
検査を受けるには、現在妊娠していないことを確認しなければなりません。
そのため、①月経終了後の低温期、②避妊した高温期のいずれかである必要があります。
麻酔下にて行われる検査で、15分程度で終わります。
入院の必要はなく、術後3~4時間休んでいただいたのちにご帰宅可能です。
(予約について)この検査は予約制ですので、必ずご予約をお取りください。
腹腔鏡検査
お腹から腹腔鏡を挿入して腹部内腔を観察する検査です。
腹腔鏡を意味する英語「Laparoscopy」を省略して「ラパロ」と呼ぶこともあります。
子宮筋腫や卵管周囲癒着の様子を観察でき、そのまま治療(摘除および癒着剥離)することも可能です。
開腹手術と比べて術後の腹腔内の癒着はほとんど見られません。
手術の傷跡はおへその下と左右脇腹の計3か所に約1cmずつ残ります。
検査を受けるには、現在妊娠していないことを確認しなければなりません。
そのため、①月経終了後の低温期、②避妊した高温期のいずれかである必要があります。
この検査は保険適用です。
全身麻酔のためほとんど痛みはなく短時間で済みますが、一泊入院が必要です。
(予約について)この検査は予約制ですので、必ずご予約をお取りください。