2015年06月30日
2015年6月18日の毎日新聞に、着床前診断について掲載されました。
内容は、着床前診断が流産率と出生率に与える影響に関する記事です。
今回の発表の内容について少し解説を加えさせて頂きます。今回の調査は染色体異常に原因がある習慣性流産の治療として着床前診断と自然放置の二通りがありますが、この両方を検討した内容です。出産率には差が出ないが、流産率は差があるという結果となっておりますが、これは全体を捉えた場合です。細かく着床前診断の立場から解説させて頂くならば、私たちは、PGDを全ての希望される方にお勧めしているわけではありません。卵がある程度の数採れる方で年齢の若い方に限って行うならば、3回までに90%の確率で妊娠する点、流産率が明らかに下がる点などより、有意に差があると考えています。しかし、それ以外の方には積極的には着床前診断はお勧めしていないというのも現状であります。また、患者様の中には、「流産を2度としたくない。流産するくらいならば、妊娠はしたくない。」と、過去の流産経験がトラウマになっている方もいらっしゃいます。治療の中で、このような経験を繰り返さないようにすることも、私たちがPGDを行う大きな理由の一つです。
院長:田中温