毎日新聞に円形精子細胞を使った治療について掲載されました

2015年12月12日

2015年11月23日の毎日新聞に、円形精子細胞を使った治療について掲載されました。
内容は、無精子症の患者様における円形精子細胞の治療に関する記事です。

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今回の報道のポイントは、円形精子細胞を使った治療の成功例の報告ではありません。この治療に関しては、2011年に厚生労働省記者クラブで会見を行った際にも記事になり、広く報道されました。今回の報道では、従来、非閉塞性無精子症の患者様の精巣の中に円形精子細胞がいれば、必ず精子がいる、逆を言えば、精子が認められない症例では、円形精子細胞はいないという、世界中で一般的に信じられていた判断基準が違うことを証明しました。この事実を証明するために、私たちは、2011年から2014年の間で、他施設で1回目のMicro-TESEを行い精子がいないと診断された患者様の内、当院での2回目のMicro-TESEにより円形精子細胞が見つかった方76名を対象として、円形精子細胞を用いた顕微授精を行ない出産された14名を2年間フォローし、異常が無いことを報告しました。この内容を、米国科学アカデミー紀要が科学的に信頼し、掲載して頂けたのだと考えております。たとえMicro-TESEで精子が認められなくても円形精子細胞がいる可能性があるという事実、また、精子が認められたとしても、半数の精子は奇形か不動精子であり、このような場合には、円形精子細胞を使った方が妊娠率が高くなるという事実を、是非知って頂きたいと希望します。是非、この治療法が無精子症で悩む患者様のお役に立てばと考えております。

院長:田中温

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