不妊症の治療方法

フローラ

フローラとは

フローラとは「細菌の集まり(細菌叢)」という意味です。 人間の体重の約1~3%は細菌が占めておりその数は数十兆~百兆個とも言われています。つまり人間と細菌は共生関係にあると言え、フローラと各種疾患との関連について研究が進んでいます。加齢やストレス、抗菌薬の不適切な使用、食生活などによって細菌叢が乱れた状態をディスバイオシスと言い、腸内のフローラにおいてはディスバイオシスと大腸ガン、炎症性疾患、糖尿病や自閉症などの精神疾患との関連も次々に報告されています。

膣内フローラ

健康な女性の腟内は善玉菌と言われる乳酸桿菌(ラクトバチルス)が多くを占めています。乳酸桿菌がブドウ糖を分解して乳酸を産生することで、腟内は赤ワインと同じくらい(pHでいうと3.5-4.5程度)の酸性状態に保たれており悪玉菌の増殖を防いでいます。これを腟の自浄作用と言います。腟内フローラが乱れた細菌性腟症(BV:Bacterial Vaginosis)によって早産や流産のリスクが増加することは広く知られており、HIV感染や子宮頸癌のリスクも高くなると報告されています。

子宮内フローラ

子宮内は赤ちゃんを育てる臓器ですから腟内と異なり、元々無菌と考えられてきました。しかし次世代シーケンサーを用いた研究によって子宮内にもフローラが存在することが分かり、フローラと着床との関連性についての報告もなされています。

当院では着床不全の原因のひとつとして、生殖器のフローラ検査を全国で先駆けて取り入れております。

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