子宮卵管造影検査とは、特殊な器具で子宮口に蓋をしてヨードの造影剤を注入し、その液が子宮から卵管へ流れていく様子をレントゲンで見る検査です。この検査によって、子宮の中の状態(子宮の奇形や子宮筋腫の有無)や卵管の閉塞の有無などがわかります。また、子宮が2つある分離重複子宮、まん中に壁のある中隔子宮、形が異常な双角子宮などの子宮の奇形も見つかります。ただし、卵管周囲の癒着はこの検査ではわかりません。
人によっては、痛みに対する恐怖心などで一時的にケイレンを起こして卵管が閉塞したように見えることもあるので、一度の検査だけで卵管閉塞とは診断しません。一度目に卵管がつまっていたという結果が出た方は、日を改めて再検査をします。
子宮卵管造影検査では卵管が正常であれば、造影剤が細い卵管を通ってピューッと腹腔内に出てくるのがわかります。下の写真は、子宮卵管造影検査で得られたレントゲン写真です。図1では、卵管に造影剤が白く見えており、両側の卵管が通っていることが確認できます。しかし、図2では、左側(向かって右側)の卵管に造影剤が見えず、左側の卵管が完全に閉塞していることがわかります。
病院によっては、子宮卵管造影法のかわりに、通気検査や通水検査をするところもありますが、これらの方法では左右の卵管が間違いなく通っているかどうかを診断する事ができません。子宮卵管造影検査は、レントゲンでくわしい状態が見えるので通気や通水よりもずっと確実であるといえます。
通気検査とは、子宮口に蓋をして二酸化炭素などのガスを送り込み、おなかに聴診器を当てて卵管の先より腹腔内にをガスが出る際のブクブクという音を聞いたり、経時的に内圧をグラフにあらわしたりする検査です。この検査は、卵管の途中に穴があいていたり片方の卵管だけがつまっている場合には正確な診断ができません。また、腸の動く音と聞き間違えることもあります。
通水検査は、子宮口に蓋をして生理食塩水などを注入し、その際の手の感触で卵管のつまりぐあいを判断する検査で、通気検査と同様、正確な診断ができない場合があります。この通水は、検査というより卵管の通りの悪い人に対して行う治療といったほうがいいでしょう。
子宮卵管造影法は痛いというイメージがあるようです。それは、油性の粘調性の高い造影剤を使った場合が多く、当院では水溶性の造影剤を使いますから、一般にいわれるほど痛いものではありません。ただし、卵管を押し広げるようにして造影剤が通りますから、卵管がつまりぎみの方は多少の痛みはあるでしょう。ごくまれに、あまりの痛さでしばらく動けず、ベッドで休まなければならない方もいます。というと、ますます受けるのが恐くなるかもしれませんが、痛いのは卵管の通りがよくない証拠です。たいていの方はちゃんと卵管が通っていますから、心配はいりません。ほとんど痛みはなく、検査も1〜2分程度で終わります。痛いという先入観が強すぎると、痛みが増すこともありますから、気にしすぎないほうがいいでしょう。
どうしても痛みへの不安の強い方は、痛み止めの坐薬を入れると、痛みはかなり和らぎますので、前もってお申し出下さい。
腔鏡検査とは、おなかに5mm程度の小さな穴をあけて、内視鏡を挿入しておなかの中を直接観察する検査です。不妊症の中で最も多く認められる原因が、子宮卵管の外側の癒着によるものです。子宮内膜症の症状や開腹手術の既往がなくても、5〜6回人工授精をされても成功しない方の半数以上の方には卵管の外側に癒着があると考えられますので、早期の腹腔鏡検査をおすすめしております。
卵管造影検査で異常がない方で、内腔が通過していても卵管の外側に癒着がある場合があります。子宮内膜症・子宮筋腫・腹膜炎の既往がある方は癒着の可能性が明らかに高くなります。更に、過去に開腹手術をされている方の場合には、癒着の可能性は80%以上と高率となります。
子宮鏡検査とは、子宮に直径3〜4mmの内視鏡を挿入して子宮腔内を調べる検査です。静脈麻酔で麻酔下に行われ、10〜15分程度で終わります。この検査では、子宮粘膜筋腫や子宮内ポリープなどを観察することができます。また、観察しながらポリープなどを除去することも可能です。
下の写真は、子宮鏡検査にて観察した子宮膣内の様子を示しています。図5は正常な場合、図6ではポリープが見つかっています。その奥に見えるのは卵管開口部です。







