[2008年2月28日]
日本産科婦人科学会にて、受精卵を体外から子宮に戻す個数を原則として1個とする指針案がまとめられ、2008年4月に正式決定することになった。その背景として、戻す数が1個と2個の出産率は変わらないという北欧の報告が参考となっている。多胎妊娠になると、妊娠中毒症などの妊娠合併症の発生率が高くなり、出産に伴うリスクは上がる。よって、より安全な出産という点では、戻す数を1個にして、多胎妊娠を回避することは理想である。しかしながら、戻す個数が1個に制限されることで、妊娠率が低下するといった意見もあり、医療費が無料で何度でも治療を受けられる北欧と、そうでない国を一概に比較できないのではないかという疑問も浮かび上がる。
日本やアメリカのように、医療費が自己負担で治療費が高額な国では、患者のためには、妊娠率を維持することが第一優先であるという意見もある。また、患者の年齢や胚の質、内膜の状態や体型、これまでの経緯などを考慮し、柔軟な対応をすることによって、リスクの高い多胎妊娠を避けることは十分可能であるという意見があるのも事実である。
[2008年1月17日]
ZIFTによって、ご自身の卵子で46歳の女性が妊娠し、2007年10月に無事に出産いたしました。また、別の46歳の女性も2007年12月に出産しております。
不妊治療の技術や手法は、日々進歩しており、同じ治療であっても、数年前とはその内容や技術が変化しています。近年では、培養液の工夫により培養環境がよくなることで、体外受精の成績が全体的に上がりました。しかし、内膜症や加齢のために、採卵数が少ない方の場合は、培養環境がよくても、体外受精(IVF-ET)だけでは限界があります。そこで、顕微授精やGIFT/ZIFTといった方法を行います。卵の数が2〜3個の場合はICSI−GIFTを、4〜5個の場合はICSI−ZIFTをおすすめしております。
当院では、近年では高齢の方の治療においては、顕微授精を行った上でGIFT/ZIFTを行う方法(ICSI−GIFT/ZIFT)を行っております。今回、妊娠・出産された46歳の2名の女性は、いずれも、このICSI−ZIFTを行った患者様です。
女性の年齢が高くなると、加齢によって質のよい卵が採れなくなるため、どうしても妊娠率は下がり、流産率が上がってしまいます。これは、ある程度は仕方がありません。当院では、ICSI−GIFT(ZIFT)法を行ったり、卵子の活性化の研究をして、少しでも妊娠率があがる工夫を行っております。高齢になっても、妊娠・出産のチャンスはあります。希望をもって頑張りましょう。







